2017.04.21 税と経営
婚姻20年夫婦の住居贈与持戻し計算不要など相続法制見直し議論が加速
法務省はこのほど法制審議会民法(相続関係)部会に、昨年7月にまとめた相続に関する民法等改正の中間試案で掲げた配偶者の相続分の引上げ案に代えて、婚姻期間が20年以上の夫婦が配偶者に対して居住用不動産を遺贈又は贈与した場合に民法903条に規定する持戻し計算を不要とする、配偶者保護のための新方策案を提示した。 中間試案では、婚姻成立後20~30年など一定期間が経過した場合には法定相続分を増やすなど配偶者の相続分を引き上げる案を提示したが、パブリックコメントを実施した結果否定的な声が多かった。 同部会で配偶者保護のための方策の別案を検討すべきとの意見が相次いだことから、法務省は昨年、相続税法上の贈与税の特例対象となる婚姻期間が20年以上の夫婦の間で居住用不動産の贈与が行われた場合には、民法903条3項の持戻し免除の意思表示があったものと推定する規定を設ける案を提示。今年2月末に開催された部会では、上記贈与等の場合には持戻し計算を不要とする案を新たに提示。幅広い相続法制に関する改正要綱を策定するため今後も審議を重ねていく方針だ。
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